鳥肌実氏より本物玉砕スーツ刺繍のご依頼をいただきました
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平成3年初夏、一本の電話がありました。『芸人をやっている者なのですが、舞台衣装を作っていただけないですか』もちろん喜んでお作りさせていただく旨をお伝えしたところ、『私、名前を鳥肌実と申します』 瞬間固まってしまいました。あ、あ、ヤバイ。あれはちょうど一年前、他府県より鳥肌実のファンを名乗る男性のお客様が突然来店されたのです。数々の鳥肌実写真をお持ちいただき、この写真のような刺繍をして欲しいとの申し出でした。恥ずかしながら私は鳥肌実を存じていませんでした。
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そこに施された刺繍をみてぶったまげたのをはっきりと覚えております。施された文言はもちろん、そのデザインに打ちのめされました。それから鳥肌実をネットやyou tubeで拝聴し、刺繍するに当たり得れる情報を収集いたしました。この方はやばい人だ。この表情靖国神社で軍服+水筒を抱えて最敬礼する生粋の右翼の方達と同じだ。そんな感情を抱きました。無事作品はお客様の下に収まり、お喜びのご連絡も頂戴しました。鳥肌実氏からの電話はそれから暫くが経ってのことでした。
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固まった後「何勝手に複製作ってるんや!誰の許可得たんや!」そんな怒号を勝手に想像し萎縮していました。『先日私のライブでファンの方が玉砕スーツのレプリカを着てお越しになられ、壇上から見て余りにも素晴しい出来だったのでライブ後にその方をお呼びしたのですよ。何処で作ったの?とお聞きしたところきてやこうて屋さんという事で・・・そのようないきさつで本日お電話差し上げました。』これを聞いて「舞台衣装を作って欲しい」のフレーズが本間なんや!と理解できました。一気に地から天です。そして今電話越しはトリハダミノルご本人。
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なんだか夢見たいなお話で、来月6月に打ち合わせにマネージャーと行きますとのことで電話を終えました。来店日当日は緊張緊張で迎えました。やっぱり、、黒塗りのセンチュリーでご登場・・・、服装はどんな格好で?・・・・意外にもGパンでした。お話していて映像や写真とはまた違ってとても紳士的な方でした。今はバイクにはまっているとのことで愛車の写真も見せていただきました。そして刺繍については図面のみをお渡しいただき、細かいことは何もおっしゃられずにお任せします!のスタンスでした。このやり取り、熱かったですよ。
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ご本人様もおっしゃられていましたが若い頃はスラッとしていたのですが・・・現在は貫禄が増して更にパワーアップ!帰京後は歴代の5作の玉砕スーツを作成の参考にとお送りいただきました。どれもこれもステージや撮影で大役を終えたのが手に取るように分かり痛みや損傷が多く見受けられました。これこそ纏の重みですね。ファースト玉砕スーツと札打たれたものなどはその戦感がひしひしと感じ取れました。
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鳥肌実にとって玉砕スーツは身体の一部であり魂でもあることは事前知識の中で容易に想像できます。そしてこれほど刺繍と繋がりがある有名人はなかなか思い浮かびません。つまり、この方は刺繍にむちゃくちゃ精通しているのだ。眼が恐ろしく肥えているはずだ。作業はそんな緊張との戦いでした。しかも今回のスーツ、夏物じゃん!!今までの玉砕スーツは全て冬物。通気性を求める生地にこれだけの量の刺繍を打つとなればそのストレスつまりシワが随所に現れる。そして今回の新作、刺繍箇所ちょっと増えてるし・・・ハードル高け!
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全神経を注いで作り上げたのがこれです!鳥肌実様の想いもしっかりと受け取って打ち込みさせて頂きました。到着後、お喜びのお電話をいただき、そして8月のライブでの楽屋ショットをお送りくださいました。全てが救われた瞬間でした。鳥肌実様と出会えたことに感謝いたしております。今回はステージでも遠くの方にも届くようにと、従来の作品よりも刺繍サイズを10~15%ほどアップしております。是非毒炎会なるライブでお目にかかってください。やばいくらい面白いですよ!え!面白い人なの?そうなのです、お腹抱えて笑う面白いライブですよ!
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若かりし頃の鳥肌実、やばいやばいかっこよさ。写真、表情・・・芸術を感じます。https://www.torihada.jp/ 講演会のチケットはこちらのURLでご確認下さい。